二人の選択~出口クリスタと大坂なおみ
アゼルバイジャンで開かれている世界柔道選手権大会の女子57kg級で、カナダ代表の出口クリスタという選手が銅メダルを獲得したそうです。
名前から想像がつくわけですが、父が外国(カナダ)人、母が日本人のハーフで、生まれも育ちもニッポン、数年前までは日本代表の強化指定選手でしたが・・・なんと日本代表の強化指定を辞退して、カナダ国籍のカナダ代表選手として、日本のライバルと戦うことを選択していました。
それで思い出すのが、先日テニスの全米オープンで優勝し、東レ・パンパシフィックオープンで準優勝した大坂なおみ選手。
全米OP優勝で騒ぎ立てる日本のメディアが個人的には気持ち悪かったわ~
やたら「日本人の誇り」とか持ち上げているくせに、彼女の日本語をカタカナ表記にしたり、なんなんだよ!と。。。あれでもこの一年間で相当、日本語は上達していますよ。今年はじめもまだほとんど、喋れないに等しかった。
それはさておき。
日本の国籍法は、日本と外国の国籍を両方もつ二重国籍者は22歳までに、国籍を選択し、日本国籍を選んだ場合には外国籍を放棄するよう要求しています。
・外国の国籍を有する日本国民で、20歳に達する前に外国国籍を有することとなったものについては22歳になるまでに、20歳に達した後に外国国籍を有することとなったものについてはその時から2年以内に、いずれかの国籍の選択をしなければならない(第14条1項から)。
・この国籍選択の届け出を期限までに行わないものに対して、法務大臣は書面により国籍選択の催告をすることができ(第15条1項)、この催告を受けて1か月以内に日本国籍の選択を行わないときは、当該1か月の期間が経過した時に日本国籍を喪失する(第15条3項)。
・選択の宣誓をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない(第16条から)。
日本政府は原則としては重国籍を認めないのですが、ブラジルのように、自国民の国籍離脱をそもそも認めない国も存在しているので、その場合はずっと二重国籍者ということになります。
(サッカー界のセルジオ越後とかラモスは、そのため二重国籍であろうと思います、多分。)
大坂の場合は出口クリスタとは逆に、3歳で渡米し、ほとんどアメリカで育っていますが、現時点では「日本人」でもあります。彼女は来年秋までに、国籍を選択しなければなりません。日本に愛着があるから日本人のままでいるかもしれないし、愛してるというほど尊敬しているウィリアムズ姉妹と同じアメリカを選択するかもしれないではありませんか。
個人的には、日本人でもそうでなくても、どっちでもいい。
日本人なら応援するけど、アメリカ人になったら応援しない?そりゃまるで「おらが村」の村民みたいな発想ではないかと。
日本人として、日本のマスコミに騒がれるより、アメリカ人としてアメリカでがっぽり稼ぐでも構わないのではないでしょうか?錦織圭がそうであるように、プロテニスプレイヤーとしては、ほとんど日本で活動しないのですから。
日本育ちの出口クリスタは、カナダ代表に入ってから「国が変わると練習もここまで変わるのか!」と驚いたそうです。それは割といい意味で、の感想のように読めましたが、大坂なおみの場合はどうでしょうね。